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路地裏話 vol.1「常なること」とは

 さて、皆さま、初めましての方は初めまして。交流のあった方はお久しぶりです。暁鬼と申します。

 路地裏話と称しまして、シナリオの裏話なんかをしていこうかと思います。為になったりならなかったり。面白いかはわかりませんが、まあ折角路地裏まで来ていただいたんですからちょっと見ていってもいいんじゃないですかね。

 今回はCoCシナリオ『誰そ彼ぞ常なることは』についてお話していきます。

【知識ロールのお話】

 回してみるとわかると思いますが、このシナリオやたらと《知識》ロールに制限がかかっていますね。古文書の部分とか訳わからないでしょう。僕も訳わかんなくなります。まあこれには少々事情がありまして。身内の探索者に知識カンストしているのがいるからです。なんでもかんでも《知識》ロールで解決されるのはつまらないので制限かけました。あと古文書なんて初見じゃ内容取れないでしょう。無理無理。

 そういうことなので、継続探索者で《知識》ロールに制限かけられたら死にますって言う場合は無視していいです。

 

【これは果たしてCoCなのか】

 こちら初めて公開したシナリオなのですが……クトゥルフ神話の神格や神話生物、一切登場しておりません。「クトゥルフ神話ほぼ関係ないじゃん」って感じのシナリオですが、コンセプトのひとつとして「クトゥルフ神話的呪文に触れていた方がもっとマシな結果になったかも……ね?」というものがあるので CoC シナリオでいいかなって思っています。本当は民話系の和ホラーを目指していたのですが、民話・伝承・妖怪などを調べているうちに呪術だとか陰陽道だとかの情報にぶつかり、「あ、これ使えるのでは?」が積み重なった結果、陰陽道系サイコホラーになりました。「結局一番怖いのは人間」系の結末を作りがちなのも原因です。

 また、本作ちょっと殺意高め?って感じですが、即死トラップはほぼ無いので許して欲しいです。選択を間違えに間違えたり、情報をこれでもかと取らなかったり、何も行動しなかったりしたら死ぬよって感じなので。ね。

 

【送り犬の裏話】

 割とキーマンであった送り犬さん。プレイした方にはハラハラしていただけたでしょうか……?ハラハラドキドキプレイしていただけたなら作者としては嬉しい限りです。

 さて、そんな送り犬ですが、本来の伝承では「転んだら襲われる」だけであることが多いです。しかし今回は元となったと考えられているニホンオオカミの習性である「急な動きをすると襲いかかる」を採用しました。というのも、「追われているという焦りの中、歩かなくては別の物に襲われる」という緊張感を演出したかったからです。御許しを。

 

【常なることとは】

 エンド名について、「浅き夢見し」は『いろは歌』から、他は『平家物語』の序文から取りました。シナリオ名は 『いろは歌』の「わかよたれそつねならむ」を基にしています。どちらの作品も「無常観」が根底にあるので使わせていただいた次第です。

 それでは 結局、「常なること」というのは何だったのか。本作でのそれは「命あるものいつかは死ぬ」こと、そして「一 度死んだ者は生き返らない」ということです。女将は虫や小動物をいくらか生き返らせていましたが、 命の不可逆性という世の理を捻じ曲げていた行為は、他の部分に歪みをもたらしていました。その歪みが地震のように反動を起こした結果が、本シナリオの逃走フェイズとなっております。神様が気まぐれで手を貸していたのは歪みを元に戻すところまで含めてだったのかもしれません。エンディング後、従業員や山桜荘は無事現世に戻ってきますが、女将の生死や精神状態は不明です。 黄泉と繋がってしまっている場合はもしかすると死んでしまったかもしれません。

【テストプレイ/作者KPプレイの裏話】

 従業員さんのお話をちらっと出したのでついでにお話ししましょうか。テストプレイのときは逃走フェイズ時に従業員のことを気にしていたPLさんはいなかったのですが、僕がKPとして実際にプレイしたところ、正義感の強い(?)警察官PCさんがなんと従業員さんに声かけたんですね。これは想定外……。流石に従業員全員連れてあれから逃げるの無理じゃろ。ということで僕は受付にいた一人だけを連れて行かせて他の従業員は奥に引っ込んでてもらいました。もし助けようとしてて処理に困ったというKPさんが居たときのために、ヨモツシコメ殿のターゲットはあの儀式の空間に居た人だけなので他の人等は助かりますよ、とは言っておきます。シナリオに書けって?……てへ☆

​ そんなこんなで路地裏話もこの辺にしましょうか。それではまたいつか。(2022/11/28)

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